bridgeover 多面体ブログ

上州と武州の麗人 上武大橋

追悼 チャーリー・ワッツ

f:id:bridgeover:20210825231656j:plain
橋の向こうの五十景

□追悼 チャーリー・ワッツ


夜をぶっとばせ。

買ったばかりの8トラックのプレーヤーから、この曲が何度聞こえたことか?夜の道を俺を乗せて走るN社のS号。エンジンも良い音で回っている。近くの駅に寄り、初めて会う女の子を迎えて再びクルマは出発。コンビニなんて、まだ登場していない時代。飲食物を忘れたら、ドアを素通りされてバイナラされてしまう。今夜はストーンズの新曲の8トラカートリッジにヘルプしてもらおうと奮発して買ってきた。


音の塊が転がって来た。

ストーンズの音は、ビートルズの響きと違っていた。同じイギリス人だが、例えればヤンチャな悪がきと、いいとこの坊っちゃんのような違いだった。デビュー当時は、お互いに同時か、最小の重ね録音だった。それはライブ感を醸し出しロックの音圧を誇示していた新しいロックの時代だった。
しかし、多重録音が可能になったレコーダーの登場で、いつでもアンサンブルが出来るようになり、後半のビートルズでは個人のスケジュールに合わせバラバラに録音を進めていたようですね。
ストーンズは、と言えば、彼らの表現している音楽はラフ感が命。あまり細かな事には拘らずに、バンドとしての響きを大事にしていたようです。まず骨格部分はセ~ので一発録音し、後に最小の重ね録音をしたようで音の塊を再現している。表現している音楽がラフ部分を大事にしているので、前に出ていくサウンドには気を使っていたように感じる。
ミックのボーカル。キースのサイドカッティング。ビルのベース。そしてドラムスのチャーリー・ワッツ。それぞれのタイム感が、音の塊となって転がってくる。


いくつの橋を渡れば。

チャーリー・ワッツは8ビートを刻む時にハイハットを1部分抜いて2拍目と4拍目のスネアを叩くという独特の奏法です。強くてパワーを感じる音を望んでいたのでしょうか。彼は今日までに、いくつの橋を渡ったのでしょう。

本日夕刻に、ストーンズの未発表曲を追悼を込めてラジオでエアプレイしていましたよ。
曲の良さは、もちろんですが、チャーリー・ワッツのスネアの音。ドラムス全体のサウンドとタイム感。最高。

この曲を何度も聞く事になるでしょう。
チャーリー・ワッツさん。心より ご冥福をお祈りします。


□追悼 チャーリー・ワッツ
□夜をぶっとばせ
ザ・ローリング・ストーンズ□ドラマー
□享年 80歳